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Jリーグクラブ 公募されない"マネージャー就活"のリアル

プロサッカーへの関わり方は、プレイヤーだけではない。

今回は、プロサッカーチームのマネージャーを目指しつつ、民間企業への就活に並行して取り組んだ後藤彩希さんにインタビュー。
就活体験記だけでなく、「マネージャー就活」のリアルについてもお伺いしました。

他のMaenoemry利用者の声や就活体験談について関心のある方は、こちらの記事も併せてご覧ください!


インタビュイーPROFILE

後藤 彩希(ごとう あやき) 神奈川県出身
・桐蔭学園に中学・高校所属し高校までサッカー部に所属
・順天堂大学サッカー部でマネージャーを務める。
1年生では副務、2年生からは主務としてサポート
・不動産営業の会社に内定

後藤さんの担当キャリアアドバイザー:川辺 真由子

※このインタビューは2023年10月上旬に行われたものです。

プレイヤーからマネージャーへ

Q,まず初めに自己紹介をお願いします。

後藤:中学から桐蔭学園に入学し、高校までサッカー部に所属していました。高校最後の大会まで、全国大会に出ることは出来ず、選手権も県のベスト4で敗退してしまいました。

高校卒業後は順天堂大学に進学しました。
その際、自分が将来どうなりたいかを考え、プレイヤーではなくマネージャーをはじめとする裏方の仕事で(サッカーの)プロクラブを目指そうと思うようになりました。その目標に向けて逆算した結果、大学では4年間マネージャーとして活動することにしました。
現在は、主務を務めています。

”グラウンドで社会人になる”

Q,プロクラブのマネージャーを目指そうと思った経緯を教えてください。

後藤:最初はプロサッカー選手を目指そうと考えていました。
しかし、高校でサッカーを終えたときに、”自分には4年間頑張ってもプロには届かないだろう”と思いました。プロを目指さないまま、(大学で)4年間サッカーをやっても意味がないというか、頑張れないと思ったため、プレイヤーをやめることを決断しました。

サッカーをしない大学生活を考えた時にインターンや留学など、様々な選択肢がありましたが、それを経て”どんな社会人になれるか”を考えた時に、ぱっと思い浮かばなくて。
その後、”どんな社会人になりたいのか”を考えましたが、グラウンドを離れることがあまりイメージできませんでした。

そこで、”グラウンドで社会人になるにはどうすれば良いか”を考えたときにマネージャーやトレーナーといった選択肢が出てきました。
当時は、マネージャーの仕事がどのようなものかあまり分かっていませんでしたが、運営の仕事なら4年間やれば間に合うと思い、マネージャーになることを決めました。また、自分の性格的にも向いてるのではないかと考えたことも理由の一つです。

Q,マネージャーの仕事について教えてください。

後藤:基本、なんでもやります。

練習の時は、

  • ボトルを作る

  • ボールに空気を入れる

  • 練習のコートを作る

  • ビブスを準備する

など。練習が終わったら片付けや、洗濯をします。

また、マネジメントの業務としては、

  • 遠征時のバス・ホテルの手配

  • 練習スケジュールを作成

  • 学校との連絡

  • プロへ内定している選手のリリース確認

  • 新入生の練習参加状況の確認

など。本当になんでもやっていました。

――――― ありがとうございます。主務になってから、何か変化はありましたか?

後藤:1年生の時は”副務”という役割で、マネジメントの仕事はやっていませんでした。2年生になり、上級生が卒業していなくなってしまったため、自動的に主務になったという形です。

そこからは、バスの手配や大会のエントリー、選手登録、スケジュールの確定など、チームがうまく動けるようにするための事務作業や雑務は全部やりました。

Q,マネージャーの仕事で一番大切にしていたことはなんでしょうか?

後藤:とりあえず一旦受け入れるということを大事にしていました。
マネージャーを始めて1年も経ってないうちに主務になったため、
慣れないことをこれやって、あれやってと次から次へと依頼されましたが、とりあえず、ノーと言わずに受け入れて、柔軟にやってみるということをすごく意識していました。
もう、なんでもやるようにしていました。笑

あとは選手、監督、バス会社もそうですが、色々な人の間に立つため、信頼関係を築くことも大切にしていました。

Q,1番達成感があったイベントや記憶に残っているイベントはありますか?

後藤:1つ1つの試合のことを覚えています。
チームが勝ったら嬉しいですけど、もちろん負けた試合は自分も悔しいので。
その中でも、特に印象に残っているのは2年生の時に経験した天皇杯ですね。FC東京に2回戦で勝ち、3回戦では群馬に負けてしまったのですが、やはり見に来ているお客さんの規模感が違いました。
自分がプロのマネージャーになると言い始めて、プロの世界で、プロの相手と戦うことを実感できたことは、すごく良い機会でした。

また、大学3・4年ではJ2とJ1に1チームずつ、マネージャーとしてインターンに行かせていただきました。自分がどんどん目標に近づいてる感覚を日々手にしていました。
これが1番というものは決められませんが、日々積み重ねて成長してる実感が選手の頃とは違ってあったため、4年間やってよかったと思います。

――――― 日々の生活から得た、自分の中で成長できているという実感であったり、 1つ1つの何気ないことが1番印象に残ってるということですね。

後藤:そうですね。やはり、どの試合も勝っても負けても色々な感情が湧き出てくるので、この試合!というのはあまり意識していないですね。

逆にあえて意識しないようにしていました。
試合の結果がどうであれ、準備や片付けはやることが一緒なので。
それよりも、日々、自分が入る時に立てた目標に近づいてるかどうかということは結構考えてやっていました。

「大学4年の5月までは就活はしない」が一転…

Q,後藤さんの就活スケジュールを教えてください。

後藤:自分は「大学4年の5月ぐらいまでは就活はしない」と周りの人やチーム全員にずっと言っていました。卒業後はプロのマネージャーになると決めてやってきたからです。

しかし、プロクラブのマネージャーになれるかどうかは選手の移籍と一緒で冬に決まります。そのため、冬までは別に大丈夫でしょ、くらいの感覚でした。

-大学4年 5月

  • 合同企業説明会に参加

  • キャリアアドバイザーとの面談開始

  • 就活を始める

後藤:大学4年の5月、Maenomeryで働いている※白井海人さんという、自分の大学の先輩にご飯に連れて行ってもらい、話をさせていただく機会がありました。
※弊社で広報・PRとして働く白井の記事はこちらから

後藤:それまでも、白井さんからは
「卒業後、どうするんだ?」
とずっと言われていて、”いや、俺就活しないです”とずっと言っていました。しかし、Maenomeryのイベント(アスチャレ)に呼ばれたとき、
”お世話になってるし、1回行ってみるか”という気持ちになりました。
というのも、大学4年生の5・6月ぐらいになると、だんだん内定が決まる友人が出始めてきます。そういう人達のほっとした顔を見ていると少し焦りを感じるようになり、”意外とやばいんじゃないか”と思うようになったからです。

就活をやらないと言っていた反面、少し後ろめたさもありました。
しかし、人生で1回しか新卒として就活をする機会がない中で、意地を張り、やらないまま終わったとして、これから40年くらい社会人として生きていくのに大丈夫なのかという不安もありました。
そこで、アスチャレに参加してみてもいいかなと思い、参加しました。


後藤:しかし、イベント後はあまり就活へのモチベーションも上がらず、「まあ、こういう世界もあるんだな」と知るくらいの感じでした。
その後、※真由子さん(川辺)とzoomでお話しをして、自分の就活のスタンスや、こういう感情があるみたいなことを素直に話したところ、色々なアドバイスをいただきました。
そこから、「俺、就活やります」と5月24日の面談で言いました。

※弊社でCA(キャリアアドバイザー)を務める川辺の記事はこちらをチェック

-大学4年 6月

内定、内定承諾。

後藤:そこからは「1ヶ月ぐらいで終わらせます」と宣言し、スピード感を持って就活に取り組みました。
最後内定いただいた企業の最終面接が6月28日で、その場で合格いただいて
すぐに内定を承諾し、就活が終わったので、本当に1ヶ月ぐらいしか就活してないですね。

――――― 短期集中ですね。就活を短期で終わらせるコツといいますか、自分で意識されたことや工夫されたことはありますか?

後藤:オンとオフの切り替えはすごく意識してました。
早く終わらせると自分で言ったということもありますが、スピード感を持ってやらないと進まないと思ったので。

就活中であっても部活の時間は部活で、バイトの時間はバイトでそれぞれ集中して取り組みました。就活の時間もきちんと自分で設定し、1日30分でもいいから業界研究や自己分析などパソコンに向かう時間を作るようにしていました。試験勉強みたいな感じですね。

「就活の軸」マネージャーになれなかったときに誇れる仕事か

Q,就職活動ではどのようなことを重視されていましたか?

後藤:5月の末にやると決めてから書類(エントリーシート)を提出したのが6月の頭とかだったので、その時期だと選択肢が絞られてしまっていると思っていたので、その中で「(その仕事を)どれだけ自分が誇りに思うことができるか」という点を重視していました。

しかし、就活をする中でもプロのマネージャーになることが第一優先ということは変わりませんでした。そのことは、面接でも伝えていましたし、Maenomeryの方にも伝えていました。
それがダメだった時に、自分にも他人にも誇れる仕事なのかということはすごく考えました。

Q,内定先はどのような企業ですか?

後藤:不動産会社の営業職ですね。
最後の決め手は”働く環境”でした。評価制度がしっかりしている部分や、評価に対してきちんと報酬が支払われる点にすごく惹かれました。

サッカーやマネージャーなど、これまでずっと目標を持って頑張ってきたタイプなので、なんとなくスーツを着て出社して…というよりは、日々その目標のために頑張って、それに対してしっかり報酬があるような仕組みでないと、サッカーの道を諦めて働いてる中で、モチベーションが担保しづらいと考えたからです。
そういう、自分の性格とも合わせて、業界と企業を選びました。

――――― なるほど、ありがとうございます。 プロクラブのマネージャーの採用が決まるのは冬頃とおっしゃっていましたが、”冬”というと大学4年の12月とか1月とかに決まるということですか?

後藤:そうですね。ちょうど※今、色々なクラブと話を進めているところです。でもまだ決まっていないので、10・11月くらいに決まればいいかなというくらいです。

※このインタビューは2023年10月上旬に行われたものです。

”マネージャー就活” プロクラブに入る為には?

Q,プロクラブのマネージャーになるために、どのような就活をされてるんですか?

後藤:正直、人との繋がりが大事なんですよね。
Jクラブのマネージャーって、あまり公募が出る役職ではありません。
広報や運営スタッフなど、いわゆるクラブの方ならたまに公募が出ますが…
現場は、やはりプロフェッショナルの人たちが集う場所なので、 クラブのいわゆる強化部やスカウトなど、そういう人に認めてもらってやっと入ることができる場所です。

そういう人に、自分のことを知ってもらうということが一番の近道だと思います。そのため、プロクラブのインターンに参加し、実際に自分の仕事ぶりや人柄を見てもらったり、インターンを通して人脈づくりをするようにしていました。
他のクラブにも、
「うちに来てたインターンの子、結構頑張っいていい子だったよ」
というような感じで、仮にそのクラブがダメだったとしても、マネージャーを探してるクラブに情報が伝わっていく可能性があります。
本当に人の繋がりでなれる仕事だと思います。

――――― 民間企業への就活だけでなく、マネージャーを目指す学生にとって貴重なお話で、私もお話を聞いていてとても面白かったです。お忙しいところ、インタビューにご協力いただきありがとうございました!

<後日談>
後藤さんから、「最終的にJ1クラブへの内定を獲得することができました」とのご連絡を頂きました!
おめでとうございます!Maenomery一同、後藤さんの今後のご活躍を楽しみにしております。


おわりに

最後までお読みいただきありがとうございます!

記事を読んで、プロサッカーへの関わり方としてプレイヤーだけではないと知って驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分の夢への道のりと民間企業就職、どちらも両立し1か月で民間企業の
内定を得た彼の秘訣はメリハリでしたね!

「夢もあるけど民間企業就活も考えている」という方や
「サッカー選手の道も就職も諦めたくない!」という方、
是非一度私達に相談してみませんか?

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