見出し画像

日本一を目指して。野口珠里 選手(東洋大学女子サッカー部4年)がサッカーに懸ける想い

サッカーで「日本一」を取る ―――――――――

その志を強く持ち続け高校、大学共にサッカーに打ち込み続けた野口珠里 選手。
メンバー登録すらさせてもらえなかった時代を乗り越え、副キャプテンにまで成長した、その強い”信念”にフォーカス。

※こちらのインタビューは2023年9月5日に行われたものです。


インタビュイーPROFILE

野口 珠里(のぐち じゅり)選手   群馬県出身

・小学校1年生の頃、兄の影響でサッカーを始める。
・ザスパクサツ群馬レディースのジュニアユースに所属。
・前橋育英高校へ進学。
 高校2年生で、インターハイ3位を経験。
 高校3年生でキャプテンを務める。
・東洋大学に進学。現在、大学4年生。
 第31回全日本大学選手権で初優勝。

野口選手の”サッカー歴”

Q,まずはじめに、野口さんの”サッカー歴”をお伺いしたいです。サッカーを始めたきっかけはなんでしたか?

野口:小学1年生の時にサッカーを始めました。
サッカーを習っていた、2歳年上の兄の練習についていく機会があり、一緒にやってみたら楽しくて、 両親にお願いしてサッカー始めたことがきっかけです。小学校の5年生ぐらいまで兄がいた少年団でプレーしていました。
兄が卒業するとき、お兄ちゃん子だった私は、
「お兄ちゃんがいないならやりたくない」と言って、一緒にそのチームを辞めて、ザスパクサツ群馬レディースという女子チームのジュニアユースに入りました。
中学時代も、ザスパクサツに所属しながらプレーしていました。

Q,高校は、全国大会常連の強豪校である前橋育英高校に進学されていますが、どのような高校時代でしたか?

野口:前橋育英高校は群馬県内で全国大会も常連で、ここでなら日本一が取れるんじゃないかという憧れを持って進学しました。
毎年、インターハイも選手権にもすべて出場し、高校2年生の時はインターハイ3位というところで終わりました。その試合も出ていたので、初めて全国で上位に食い込んだ経験は高校2年生の時になりますね。

”強豪”前橋育英高校でキャプテンを務める重圧


野口:高校3年生では、キャプテンを任されたのですが、かなり苦しかったです。
やっぱり勝たせなきゃいけないし、自分のことも考えなきゃいけない。でもチームのことも考えなきゃいけない。
このバランスが自分の中で取れず、真夏ぐらいまでは試合にも勝てず、本当にただただ苦しい時間を過ごしてるような状態でした。

しかし、そんな中で仲間とぶつかりながらも協力できるようになり、高3の関東大会ではチームとしても初めて優勝することができ、そこで1つ結果を出すことが出来ました。
選手権は結局、1回戦敗退という形で終わってしまいましたが、高校3年生の時の経験は、すごく今にも活きていると感じています。

メンバー登録すらしてもらえない…一番下からのスタート


野口:大学は東洋大学に進学しました。
高校時代に練習試合をさせていただいた際、(東洋大学の選手が)本当に上手いというか、もう全然かなわないと思い、ここでなら本当に日本一が取れるのではないか、上手くなれるのではないかと思い、進学しました。

でも、大学1年の時は試合には1回も出ていないですし、メンバー登録もしてもらえないということも普通で、正直に言えば1番下みたいなところで過ごしていました。
2年生になって、ベンチに入れるようになりましたが、試合に出られたのは多分全部足しても30分も行かない、15分ぐらいしか試合に出られない時間を過ごしました。

大学3年になっても、やっぱりまだ全然、上がることはできず、トップチームでは全く試合に出ることができませんでした。
しかし、目指すものは自分の中にあったので、地道に続けた結果、3年の10月ごろに初めて試合に最初から出させてもらい、結果も伴ってきました。
そこから、3年生の最後の時期は全ての試合に出させてもらい、チームとしても日本一を取って終わることができました。

今は4年生なんですけど、副キャプテンという立場になり、このまま連覇を目指しながら頑張ってるっていう感じです。

トップチームに入るために変えた「目的」と「考え方」

――――― 苦戦していた大学1年から、3年では全試合出場に加えて目標であった日本一を達成、4年生の現在は副キャプテンを務められているというのはとてつもない成長スピードですね。
背景には並々ならない努力があったと思いますが、試合に出るため、活躍するために工夫されていたことや意識されていたことはありますか?

野口:プレーで言えば、練習時間は2時間もやらないくらい。
その時間で、どれだけ成長するかか、どれだけ自分はできるということを示せるかで試合に出られるか出られないかというのが決まってしまいます。
出られない時間の方が全然長いんです。

1・2年生の時は、試合に出て、活躍して、勝って日本一になって…ということだけを考えて、その試合に出る権利を手にするためだけにやるということを重視していました。
だから、今日の練習は良かったとか、ダメだったとか一喜一憂をしていました。「これ試合出れないな」とか、色々と考えていましたが、もう本当にずっと目先のことだけという感じでした。

2年の後半ぐらいからは、何のためにやってるのかということを1番に置くようにしまいた。すると、そのための練習、その日の練習に向けた準備だと考えられるようになりました。
いい意味で、周りはどうでもいいというか、周りの人が調子よかったり、自分がいいなって思っていても、 まあ別に、今だけじゃないというか、そういうことに囚われて、自分見失うことだけはしないようにしようっていうのはずっと思ってました。

――――― なるほど。目的に対してひたむきに、周りを気にせず自分なりに努力されてきた結果として今があるということですね。

トップリーグで活躍する野口さん。卒業後は?

Q,大学卒業後もサッカーは続けられますか?

野口:まだ迷っていて、決められていないんです。
CAの方は※川辺さんが付いてくださっていて、そのことも伝えています。

※弊社キャリアアドバイザー川辺の記事はこちらから

もちろん続けるという選択肢も視野には入れており、自分の努力に結果が伴ってきたら道が開けるという風に考えています。
しかし、まだどうなるかは全然分からないという感じです。

女子サッカー、競技継続の選択肢


――――― 女子サッカーで競技を続けられる場合には、どのような選択肢があるのでしょうか?また、プロチームや社会人チームに入るためには、どのような手段がありますか?

野口:選択肢は2つあります。
1つ目は、このチームに行きたいと監督に伝え、チームの方に繋いでいただく方法です。その後、練習参加に行き、チームの方からの反応が良ければオファーが返ってきて、そこから所属に向けて進めていくというものです。

もう1つは、試合を見に来てくださるチームの方の目に留まり、声をかけていただいて、そこから練習参加…という方法です。

Q,現在、チームへの練習参加はされていますか?


野口:なでしこリーグ1部のチームに一度参加させていただきました。他のチームもこれからという感じです。

WEリーグの実情を踏まえて


――――― サッカーを続けるということになった場合、サッカー一本でキャリアを進めるのか、それともデュアルキャリアで仕事も並行して取り組まれるのか、どちらのイメージを持っていますか?

野口:もちろんサッカーだけで行くことができれば良いですが、サッカーだけで生活していくことができる人がもう本当に一握りなんです。
「WEリーグ」というのが女子サッカーのトップリーグなのですが、WEリーグに進んでも、そのチームの中でサッカーだけで生活している人と仕事をしながらサッカーをしてる人とで分かれています。

その下位リーグである「なでしこリーグ」よりも下のカテゴリーになってしまうと、選手全員がお仕事をしながらサッカーをするという感じになっていきます。

――――― サッカー選手だけでキャリアを築くハードルが高いのですね。ありがとうございます。
それでは次に、野口さんの進路について「仕事」という視点からお伺いしていきたいと思います。

>>>後編に続く
後編では、野口さんの就活体験記をお伺いしました!

ーあなたにおすすめの記事ー


お問い合わせ

>>>Maenomeryの公式LINEからもお気軽にお問い合わせいただけます。

この記事が参加している募集

私のスポーツ遍歴

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!